私が薪ストーブ屋になるまでの話

みなさん初めまして京都ストーブ販売 代表の山本と申します。現在48歳です。

私が京都北部の自然豊かな土地、綾部市にIターン(移住)してきたのは、今から約13年前のことです。

それまで長くアパレル業界に携わり、忙しくも充実した毎日を送っていたのですが、トレンドを追いかけ消費するばかりの暮らしに疑問を持ち、もっとプリミティブ(根源的)な生き方を模索する中で『土の暮らし』への想いを強く持つに至りました。

自然と共生した暮らしを求め一軒の古民家を購入しました。都会での勤めを続けながら、週末ごとに綾部に通って一年がかりでその古民家をセルフリノベーションしていたのですが(その時に薪ストーブも設置しました)、

その過程で『木組みの技術』の奥深さに魅せられた私は、ようやく会社を退職し、福知山の職業訓練学校に入校し、家具製作と木工の基礎をイチから学ぶことになりました。

『どんな環境であれ、生きぬく力を獲得すること』

それが私が田舎暮らしで得ようと考えていたことです。口先や言い訳の一切通用しない、本当の実力を持った人間になりたいと強く願っていました。

会得した木工技術・知識を活かすべく、ご縁のあった地元の建設会社に就職し、幸運にも念願だった「古民家を再生する事業」をリーダーとして任されることとなりました。

一般的に古民家の再生工事においては、通常は何をおいても「断熱性」と「気密性の向上」を第一に考えるのですが、それらを満たせずとも、そこにあるだけで圧倒的な暖かさが得られる「薪ストーブ」の凄さを、私はすでに自身の体験として痛感していました。

「古民家にとって薪ストーブは究極の暖房手段である!」

当時の「あらゆることが運命的・必然的につながっていく感覚」は今も鮮明に残っています。私が薪ストーブ事業を興すのはもう時間の問題でした。自身で悪戦苦闘して身に付けた技術が常に道を切り拓いてくれました。

やがて薪ストーブとカフェを併設したショップ『薪ストーブショップ&ガーデン kamokudo(カモクド)』をOPENしました。まだ薪ストーブカルチャーが十分に浸透していなかった北近畿において、欧米の環境基準をクリアーした『本物の薪ストーブ』をご紹介出来た事はkamokudoの果たした大きな功績であったと思います。

8年間の在職期間中には事業部長として、延べ150台以上の薪ストーブの新規設置&メンテナンスを手掛けました。通常の建築業務との兼務でもあり、肉体的に大変なことも多くありましたが、それでも実践的な技術と貴重な経験を積ませて貰う事が出来、今も宝石のようにキラキラと印象に残る本当に素晴らしい日々でした。

「好事、魔多し」と言いますが、順調だった日々は、ある日突然急転しました。

離れて暮らしていた父親が心肺停止状態で発見され、奇蹟的に一命はとりとめたものの重度の障害が残ってしまったのです。

病気がちの母親ひとりに介護の負担を負わせるのはしのびなく「悔いのない人生はどういうものか」を熟慮した結果、職を辞することを決意しました。今でもこの決断は間違いでは無かったと胸を張って言えます。

覚悟をしていた介護生活でしたが、病院のスタッフの皆様の献身的なサポートが功を奏したのでしょう、奇跡的な回復を見せた父はやがて退院できるまでに体力を取り戻しました。生存確率がコンマ数パーセントの窮地から帰ってきた父を本当に愛おしく誇らしく感じました。それから9カ月後に亡くなるまでに父と過ごした日々は、私の人生にとって掛け替えのないものになりました。

やがて地元の製材所に復職した私は、薪ストーブ用の薪を製造・販売する仕事を任され、責任感とやりがいを感じながら日々を過ごしていました。売上も順調に伸びていましたし、何よりも薪の配達時に簡易な薪ストーブメンテナンスをすることでお客様が喜んで下さるのが励みになりました。

「コツコツ頑張ってさえいれば、全ては以前のように順調に戻っていくのだろう。」

漠然とそう考えていた私でしたが、また思わぬ試練が降りかかってきたのです。


功を焦っていたのかもしれません。

常に高い目標を掲げてそれを乗り越えることに夢中になっていました。

自身の成長と会社の成長がシンクロしていく事を信じてやみませんでした。

仕事へのモチベーションが高くなればなるほど、現状を如何に改善していくかに私のエネルギーは強く向かっていきました。

でも、そのことが期せずして「現状への否定=経営者個人の否定」であるかのように、経営者からは受け止められるようになってしまいました。

私は何一つ否定した覚えはなかったのですが、どれだけ言葉を尽くして行動で、態度で示そうとしても、一度失った信頼関係は取り戻すことが出来ませんでした。

売上だけが順調に伸びていく中、幾度かの話し合いを経て、会社を解雇されることが正式に決定しました。事業部長に就任してわずか3か月目の真冬の出来事でした。

そして新しい年の幕明けと同時に、私はとうとう無職の身の上になったのでした。

努めて明るく振舞っていた私でしたが、元旦の深夜に家族が寝静まってから独り薪ストーブの炎を見つめていると、無念さと悔しさで自然に涙があふれてきました。

「せっかくここまで頑張ってきたのに、一体なんで・・・」

でも、私にはまだ小さい子供もいます。絶対にここで終わる訳にはいきません。ピンチをチャンスに変えるには今しかありません。

宗教を持たない私ですが、この時は思わず亡き父に祈りました。

「オヤジ、頼む。とにかく俺たち家族を守ってくれ。」

あの時、父が命がけで見せてくれた『奇蹟=死の淵からの生還』は、私の人生観を大きく変えるくらいのインパクトを持っていました。

それは「願えば叶う不可能もある」という事。

これまでの人生、責任ある立場で様々な経験を積ませて貰った私でしたが、そのことがかえって『臆病さ』を生み出してしまっていました。

経験も実力も、素晴らしい人とのご縁も、すでに身に付いていることは頭では理解していました。ただ、自信を持って行動していく勇気だけがありませんでした。

「自分の力で人生を切り拓ける。そんな事業経営者になろう!」

「そもそも、そういう人間になりたくて田舎で頑張って来たんじゃなかったか!」

自分を見つめ直す過程で多くの気付きがありました。

私は弱い者イジメが大嫌いで、幼少時代から常にガキ大将に喰ってかかっていた人間です。学生時代には理不尽な教師にハッキリと物を言って疎まれたり、就職してからも圧力をかけてくる相手には絶対に屈しないという強いこだわりを持って生きていました。

でも、その根底にあったのは「弱者=正義、強者=悪」といった単純な決めつけであったように思います。「経営者=権力のあるもの=強者」という思い込みが、私の言動のどこかに暗い影を落としていたのでしょう。その事が高じて相手との関係を悪化させていたのであれば、それは『身から出た錆』以外のなにものでもありません。

私を解雇せざるを得なかった、あの時の経営者の真の思いに寄り添える『懐の広さ』『本当の心の強さ』が、やはり私には足りていなかったのだと思います。

ここに至るまで随分とまわり道をしましたが、全ては人間性を高めるための経験であり、私にとって必要な出来事だったのだと、今では感じられるようになりました。

「では、何を生業(なりわい)として生きていくのか?」

真っ先に私の脳裏に浮かんだのは、ゆっくりと大きく揺らめく炎の美しさと、その炎に照らしだされる家族の笑顔でした。もう答えはわかっていました。

前職でお世話になった多くのお客様からの声援が後押しとなり、私はもう一度薪ストーブの世界に戻る決意をしました。

今では件の経営者さんも私の大切なビジネスパートナーとして、薪ストーブ事業を全力で支えて下さっています。

様々な紆余曲折を経て、今の私は「店舗を持たない薪ストーブ屋」として多忙な日々を送らせていただいています。

あれから何百台の薪ストーブに関わってきたのか、薪ストーブの数だけお客様との素敵な出逢いがありました。

勇気を持って一歩を踏み出して良かった。今、本当に心からそう思います。

「明けない夜は無い」

「人生はシンプルに考えた方が上手くいく」

辛くて苦しくてどうしようもなかった時、傍らにはいつも薪ストーブの美しい炎と暖かさがありました。

全てが信じられなくなったときにも「圧倒的な確かさ」として、その火は私たち小さな家族を暖めてくれました。

私は薪ストーブに救われた人間です。

だからきっと、薪ストーブに「恩返し」がしたいのだと思います。

五感に直接訴えかける「火」の力は太古の昔から人類にとって馴染み深いものでした。

畏怖する存在であった「火」を道具として扱いだしたことから、人類の文明はスタートしたのですが、皮肉にも現代人にとって「火」はとても遠い存在になりつつあります。

薪ストーブはそんな「火」をもういちど身近に手繰り寄せてくれる存在だと思います。

圧倒的な暖かさ、美しさ、便利さ、確かさ(そして怖さも)を皆さんにもっと伝えたい。

それが私の想いであり、何か大きなものに託された使命なのではないかと考えています。

是非、薪ストーブの素晴らしさを体験して下さい。

●薪ストーブ・マスターエンジニアリングプログラム(WMEP)技術者

●日本暖炉ストーブ協会認定技術者(※前職の退職により失効中)

●京都府・再エネコンシェルジュ

●乙種4類 危険物取扱者

●甲種防火管理者

●京都府 宅地建物取引士

●日本バーベキュー協会・インストラクター

第一回目は「メンテナンスの重要性」、第二回目は「薪の乾燥の話」ときて、この第三回目こそが「最もみなさん皆さんにお伝えしたかった講義」でした!

正直、過去の2回は「今回の講義をわかり易くするための前説」だったと言っても過言ではないくらい、この日の為に慎重に時間をかけて積み上げてきたのです。


私が最も伝えたかったこと、それは「煙突のチョイスがいかに重要か」ということ。

快適な薪ストーブライフは「薪の乾燥程度」がその成否を決定しますが、安心・安全な薪ストーブライフを担保するのはズバリ「煙突の性能」です。



この業界に深く長く関わるほどに、煙突のことを軽視しているユーザーさんがあまりにも多い事に心底「危機感」を抱いていました。

少し想像力を働かせれば、毎年なにがしかのメンテナンスが必要だということは判りそうなものだと思うのですが、楽観的に都合よく解釈することが常態化してしまうと、ある日突然、思わぬ災難に見舞われてしまう可能性があることを「ちゃんと」知ってもらいたかったのです。


前回までは幸喜山荘を利用していましたが、今回からはお隣の「森もりホール」に会場を移しました。開催時間も前回までの11時~13時を改め13時~15時としました。

今までは昼食時間が重なっていたので講義に充分な時間を割けませんでしたが、これで休憩をはさんで2時間しっかり対話が出来る環境が揃いました。


森もりホールには、過去に私が何度もイベントで使わせていただいたクッキングストーブ、バーモントキャスティングス社の「ドミノ8」が設置されています。

里山暖話全八回の中には薪ストーブクッキングの回もありますので、きっと大活躍してくれることと思います。

初めて見る高性能クッキングストーブの格好良さに、皆さんビックリされるのではないでしょうか(笑)


里山スタッフの村上さんの挨拶から本日の講義がスタートしました。

この日は特別に、翌日から始まるジビエフェアを一日前倒しして「シカ肉を使ったコロッケ=シカッけ」を希望者に販売して貰いました。

クセがなく美味しいシカ肉がもっと普及すれば良いのにと思います。


今回の参加人数は24名とのことでした。有難い事に第一回から皆勤賞で来て頂いている方がほとんどです。今回はかなり専門的な話でしたが、過去2回の講義を聴いて頂いているためにきちんと理解していただいているのが話していても判ります。


スライドとイラストを使った講義です。私も三回目にしてようやく慣れてきました。

会場のキャパシティとご来場頂いた人数が丁度良く、薪ストー部員みなさん全員の顔が見渡せて、こちらの声も良く届いていたと感じました。



非接触型のレーザー温度計を使って、煙突高さによる煙突の表面温度の違いを確認いただきました。シングル煙突の放熱がいかに多いか(裏返すと煙突内部がいかに冷やされやすいか)を実感いただけたと思います。

断熱二重煙突の重要性は今までにも機会があるごとにお話しさせていただいていましたが、今回が最も「伝わった」感覚がありました。


恒例の質問タイムも大盛況で、今回もアッという間の2時間でした。

回を重ねるごとに皆さんとの距離が縮まっていくのを感じます。

本日の学びを活かして、末永く安心&安全の薪ストーブライフを送っていただけるよう、心から願っています。



里山暖話の第二講が12月21日(土)に開催されました。

2020年の3月末までの連続8回の講座ですが、前回では予想をはるかに上回る30人以上の方にお越しいただき、ほとんどの方に「薪ストー部員」への入部をご希望いただきました。

今回は前回より少し減るかな~という見立てだったのですが、フタを開けてみると当日参加のお客様もいたりで、結局前回と同様に30人近いお客様!

貴重なお休みを里山暖話に預けて頂き有難うございます。

さて、今回の講座のテーマは「良い薪とは何か?」でした。

薪ストーブの性能の90%は「薪そのものの性能」であると言われます。

薪の調達に悩んでいる皆さんにとっては、今回の講座はかなり切実な内容だったようです。

スライドを用いながら約1時間の講義を行い、残りの一時間で皆さんのご質問にお答えするというスタイルです。前回では会場の広さ故に暖房の効きが十分ではなかったという反省がありましたので、今回はファンヒーターも用いて会場の暖房には最大限配慮して臨みました。

少し慣れてきたこともあるのかもしれません。とにかく『質問が途切れる事がない』里山暖話です。みなさんそれぞれの状況は異なるものの「自分の言葉で」お話いただけるので、伝わってくる熱量がスゴイです!出来る限り平易な言葉を選んでの説明を心掛けました。

すでに何十年も薪ストーブをお使いの方も、これから購入を検討する方も、避けて通れないのが「安定した薪の調達手段の確立」です。

薪を専門店で購入される場合の注意点(ほとんどの方が陥ってしまっています)や、ご自身で薪割りをされる場合のアドバイスなどを実際の事例を基に説明させていただきました。

「ここででしか聞けない話」を心掛けてプログラムを組んでいる為、あえて冊子などは準備しないようにしています。それが、貴重な一日を割いてきて下さっている方へのせめてもの敬意だと考えています。

今回もあっという間の2時間でした!

次回の開催は2020年1月11日(土)13:00~15:00です。

これまで幸喜山荘をお借りしてネスターマーティンS43を使って説明していましたが、次回からはお隣の「森もりホール」に移ります。

暖話のテーマは「煙突の深い話」です。

個人的にも大変思い入れの強いテーマですので、是非多くの方にご参加いただきたいと思います。

来る12月7日(土)NPO法人里山ねっと・あやべの交流施設「幸喜山荘」にて、里山暖話の第1回(連続講座で8回完結です)を開催いたしました。

今回のテーマは「薪ストーブメンテナンスについて」でした。

新聞・ラジオなど多数のメディアにご紹介いただいたこともあり、当日は30名以上のお客様にお越しいただけました。この場を借りて御礼申し上げます。

貴重な休みを利用してお越しいただいた皆さまをガッカリさせないように、極力普段の暮らしに役立つ薪ストーブ情報をお届けするよう(限られた時間ですが)努めました。

特に今回は「薪ストーブのメンテナンス」という特殊なテーマでしたが、①薪ストーブの寿命を延ばす ②近隣からのクレームを発生させない ③薪の燃費を良くする という意味では、ストーブユーザーであれば誰もが避けて通れない大事なテーマだったと思います。

皆さまの反響も大変良かったので、今後の講義の中でもポイントを絞って触れていきたいと思います。

オープニングは「着火の方法」からスタートしました。

時間の制約もあり多くの時間を割けませんでしたが、最近のトレンドである「上から着火」の実演を行いました。本来は着火だけで一講座できるくらい奥が深いテーマなのですが、最もスタンダードなやり方で一連の作業をご覧いただきました。

人数が多いので心配していましたが、ご来場いただいた皆さん全員とお話が出来ました。

それぞれお使いの薪ストーブも使用頻度も違うのですが、「共通の悩み=薪の確保」があることが改めて再認識できました。

次回12月21日(土)では感心度の高い「薪」についてお話させていただきます。

今回は屋外型の薪ストーブ(TOMY-3)も持ってきましたので、焼きおにぎりを調理して皆さまに召し上がっていただきました。

料理が出来ることも薪ストーブの大きな魅力の一つです。本講座の中でも「薪ストーブ料理」の回を設定していますので是非お越し頂ければと思います。


本講座にご参加いただいた皆さまへの特典として、近隣農家さんから譲っていただいた「焚きもん」をお持ち帰りいただきました。当日は自家用車でお越しの方で「次回はトラックで来る!」と仰る方もおられました。里山暖話をきっかけに薪ストーブの繋がり(薪ストー部)が広がっていくことを願っています。



アメリカ・バーモントキャスティングス社製の小型薪ストーブ『イントレピッドⅡ』
触媒搭載機ならではのクリーンな排気と高い燃料効率(81%以上)が特徴です。
現行モデルとは異なる重厚感のあるフロントマスクがその存在を主張します。

今でもファンの多い旧型バーモントキャスティングス社ストーブのアイデンティティーです。

完全に分解してフルメンテナンス(オーバーホール)の後、ガスケット類は全て新品に交換しています。またオプションのウォータミングシェルフ、ミトンラックもフル装備と、かなりお薦めの個体となっております。

特別価格¥190,000(税込)で販売致します。

現物限りですので、実際にコンディションを確認いただいてからお求め下さいますよう宜しくお願いいたします。
古物商許可・第612481930004